漢方治療では逆と思える治療が奏効する事があります。
私が北里研究所東洋医学研究所に勤務していた頃、初診を花輪壽彦所長(当時は副所長)に受けた患者さんが、2度目の診察を受けるために私の外来に来ました。主訴は下痢で、花輪所長の処方は八味地黄丸でした。多少でも漢方治療の知識のある人には無謀とも思える治療です。というのは、八味地黄丸には下痢の副作用頻度が高い「地黄」が含まれているからです。下痢の患者さんに下痢の副作用のある八味地黄丸を処方することは普通は考えません。この患者さんは「漢方薬を飲んだところ、長年の下痢がよくなりました」と大変喜んでいました。
六味丸は八味地黄丸から附子と桂皮を抜いた漢方薬で、やはり「地黄」が含まれているので下痢の副作用があります。頭痛がなかなか治らない患者さんに、この六味丸をお出ししました。頭痛は六味丸でほぼ良くなりましたが、それと同時に子供の頃から続いていた下痢も改善しました。
漢方って不思議です。
先生、ブログ開設、おめでとうございます。
漢方って本当に不思議です。
そのお薬が効いているときは、おいしいって感じるようです!!
でも、その人にとってどの漢方が合うのかを見極めておられる先生も、不思議です。
みゆさんコメント有難うございます。このブログで初めて頂いたコメントです。
漢方が効く患者さんは、まずい薬でも飲みやすいと言う方が多いのは事実です。最初は飲みにくくても、次第に飲みやすくなってきたという方もいます。逆に合わない場合には、飲めない、次第に飲めなくなってきた、と言われます。