私の風邪と漢方

診察中に、「先生は風邪をひかなくていいですね」と言われる事があります。
実は子供の頃から風邪をひきやすく、少なくとも年数回は学校を休んでいました。毎回同じ状態で、38度の熱と咽痛、咳嗽、食欲低下があり、解熱剤の注射をされた記憶があります。漢方の知識で考えると太陽と少陽の合病か少陽病の状態のどちらかなので、小柴胡湯や柴胡桂枝湯などが効いただろうなと思います。
医師になってからも風邪の患者さんが多い季節になると、よく風邪をひいています。今は漢方の知識がありますので、くしゃみと鼻水の風邪では小青竜湯、咽痛と咳では越婢加朮湯(越婢加半夏湯)、鼻詰まりと肩こりでは葛根湯などを適宜服用しています。
風邪の漢方治療で難しいのは、時間とともに飲む薬が変わる場合があることでしょうか。テレビで、「風邪のひき始めには葛根湯、こじれた風邪に小柴胡湯」と一時宣伝していましたが、最初から小柴胡湯の風邪をひく場合もありますし、朝は葛根湯の適応状態で、夕には小柴胡湯の適応状態に変化する事もあります。
風邪の様に変化が多い病気では、処方する時点の脈と舌、症状がわからないと薬が決まりません。「一家に一人漢方医がいると便利だね」と言われた事があります。

“私の風邪と漢方” への2件の返信

  1. 風邪の季節になりましたね。
    以前の風邪のときに先生に処方していただいたのが柴胡桂枝湯だったので、フランスにも常備薬として少し持ってきています。寒気がするときとか、ちょっと疲れたときにとてもよく効きます。でも、主人の症状には効果がありませんでした。・・・漢方ってそうですよね、やっぱり・・・
    ところで、先生、風邪はウィルス感染がほとんどだが、抵抗力が弱っていて細菌にも感染しやすくなっているから抗生物質を処方されたときは最後まで飲む必要がある、と以前先生がおっしゃっていて、なるほどと思ったのですが、漢方薬だけでは、ウィルスや細菌感染への効果は期待できないのですか。

  2. みゆさんコメント有難うございます。
    漢方と言うよりも生薬単位では、細菌やウイルスに有効というデータはあります。ただ漢方の場合は、抗生物質の様に一定の効果があるわけではありません。そのため、溶連菌の様に毒素が残る可能性のある細菌感染が疑わしい場合には、抗生物質を1週間程度服用して確実に殺菌する必要があります。
    風邪のウイルスに対する抗ウイルス薬はまだ実用化されたものはありません。風邪の治療は漢方の方が有効性は高いと考えています。

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